ネットの情報を参照してPlayStation Vitaの画面を外部ディスプレイに表示するVitaDockを導入したのでメモとして残しておく。 なお、現在はPCを使わずPS VitaだけでHENkakuを導入する手順が紹介されている。
[Vita] 2023年最新手順【HENlo】3.65-3.74 PC不要でCFW(HENkaku)導入 – もぐ淡々
持っていたもの
- PlayStation Vita 3G/Wi‐Fiモデル クリスタル・ホワイト (限定版) (PCH-1100 AB02)
- ワイヤレスコントローラー (DualShock4)
- 8GB microSDメモリカード
このプロジェクトのために購入したもの
- Raspberry Pi Zero 2 W (3,113円)
- GeeekPi Raspberry Pi Zero 2 W ケース/Zero W ケース (1,148円)
- PSVita用USB充電&データ切替ケーブル (1.5m) (1,480円)
参照した情報
2022年更新版 PS Vitaを改造してみる。(FW3.65~3.74) [ h-encore² ] – もぐ淡々
PS Vita [ AutoPlugin2 ] の導入。 – もぐ淡々
PS VitaをNintendo Switchのように携帯モード、テレビモードで使う(1) |ワビスケ/ PBMB
手順(上記のリソースから得られる情報の手順のみ)
PC側の操作はParallels Desktop上のWindows 11仮想環境で実行した。
1. PC側の操作
- PCにコンテンツ管理アシスタントをインストール
- PCにQCMA USBドライバをインストール
- PCにFinal h-encoreをダウンロードして実行
- PCとPS VitaをUSBデータ通信ケーブルで接続
2. PS Vita側の操作
- コンテンツ管理アプリを操作してh-encore2をPS Vitaにコピー
- ホーム画面からh-encore2を実行し、HENkakuとVitaShellをインストール
- h-encore2の終了はメニューからExitを選ぶ*1
- ホーム画面から設定を開き、「HENkakuの設定」として「リスクのあるユーザープログラムを有効化」にチェックする
- ホーム画面からVitaShellを実行し、STARTボタンを押してMain settings画面を開き、SELECTボタンの動作としてFTPあるいはUSBを選択して×ボタンを押しファイラー画面に戻る
- VitaShellのファイラー画面でSELECTボタンを押すとPCからFTPあるいはUSBストレージとしてPS Vitaにアクセスできるようになる
3. PC側の操作
- AutoPlugin2.vpkをPCにダウンロードする
- PCのファイラーを使ってAutoPlugin2.vpkをPS Vitaに転送する
4. PS Vita側の操作
- ホーム画面からVitaShellを実行し、AutoPlugin2.vpkをインストールする*2
- ホーム画面からAutoPlugin IIを実行し次の2つのプラグインをインストールする
- ds4vita by xerpi
- udcd_uvc by xerpi
- AutoPlugin IIによるインストールを終了するとPS Vitaが再起動する
- HENkakuが消えているので再インストールおよび設定をやり直す
- DualShock4コントローラーとPS Vitaをbluetoothで接続する*3
5. PS VitaとPCでの動作確認
- PS VitaとPCをUSBデータ通信ケーブルで接続し、Windows標準のカメラアプリを起動したときにPS Vitaの画面がカメラアプリに表示されればudcd uvcが正しく動いている
6. PC側での操作
- GitHubからVitaDock Plusのイメージファイルをダウンロード*4
- Raspberry Pi ImagerでイメージファイルをmicroSDメモリカードに書き込む
7. Raspberry Piでの操作
- Raspberry Piにモニタ、マウスを接続しmicroSDメモリカードのイメージから起動する
- Raspberry PiとPS Vitaをbluetoothで接続する
- Raspberry PiとPS VitaをUSBデータ通信ケーブルで接続し、PS Vitaの画面、音声がHDMI経由でモニタに出力されていれば成功
やらなければよかったこと
HENkakuは2024年1月19日時点でのPS Vitaの最新のファームウェア 3.74 に対応している。ただしPS Vitaを再起動するたびにHENkakuを再インストールしなければならない。
modoruとENSOを使ってPS Vitaのファームウェアを 3.60 あるいは 3.65 にダウングレードしたのちにバージョンを固定する方法が紹介されているので行ってみた。ただし、自分の環境では3.65 にダウングレードした後にPS Storeにアクセスできなくなった。ゲームアーカイブスから古いゲームをダウンロードして遊ぶのが今回の改造の目的であったのでこれでは困る。結局ファームウェアバージョンは 3.74 に戻すことにした。なお、3.65 にダウングレードするとオンラインでのファームウェアアップデートができなくなる。このため、最新のファームウェアに戻すには、3.74 のファームウェアのイメージファイルをダウンロードしてmodoruで再インストールするという手順を踏む必要があった。
不満点
- 画面のアスペクト比が4:3のPS1のゲームを実行すると、PS Vitaのディスプレイでは正しいアスペクト比で表示されるが、UVC経由で外部出力した画像は16:9に引き伸ばされた表示になる。画面設定の変更方法がわからない。
その他の覚え書き
- ゲームアーカイブスの古いゲームをPS Vitaで遊ぶ時、PSボタンを長押しすると設定画面が開き、アスペクト比などの画面設定を変えることができる。ただしこの設定はPS Vitaのディスプレイに表示する場合に有効であって、UVC経由での外部出力でのアスペクト比変更はできない。
- 外部ディスプレイで古いPlayStationゲームを遊ぶにはPS Vita TVという選択肢もあるが、メーカー生産終了品で中古価格が高騰しておりオークションやフリマサイトでは現時点(2024/1/19)で概ね2万円〜2万5千円くらいの価格帯で取引されている。
- Raspberry Piの価格も上がっているが、VitaDock PlusがZeroに対応したことで比較的安価にDockが作れるようになった。3B+が必要だったら導入していなかった。Zero 2以上の処理性能があればそれほど遅延を感じずに遊べる。
- PC/Mac経由で映像出力するのでよければわざわざRaspberry Piを購入する必要はなく、PC/MacとPS VitaをUSBデータ通信ケーブルで接続しカメラアプリなどで表示すれば良い。ただしMacのFaceTimeやフォトブースでは左右反転して表示される。これは設定で変えられないのでサードパーティのアプリケーションを使用する必要がある。次のアプリが使いやすかった。
- Quick Camera (Mac用)
- PadDisplay (iPad用)